歯を抜かない子どもの矯正

「前歯がガタガタして生えてきているのですが、大丈夫ですか？」とおっしゃる保護者の方が多くいらっしゃいます。
これからお話する内容は、是非知って頂きたい「歯を抜かない子供の矯正」のお話です。

以前は、「永久歯が生えそろうまで、もう少し様子を見ましょう」とお話していました。
しかし、様子を見ていても、ほとんどの場合、ガタガタがなくなり自然に歯並びがきれいに直ることはありません。

そうこうしているうちに、矯正治療を始めると健康な歯を抜いての本格矯正になることが多いです。費用も高額になります。

私たちは日々「虫歯のない健康な永久歯を作ろう」と予防歯科に力を入れています。したがって、矯正治療のためとはいえ、虫歯のない健康な永久歯を抜くことにかなり抵抗がありました。

「歯はできるだけ抜きたくないし、虫歯のないきれいな歯並びにしたい」という子供たちと保護者の方と私たちの願いを実現するためにこの矯正治療を取り入れました。

矯正装置は、ご自身で取り外しできる入れ歯のような床矯正装置をお口に入れます。顎を拡げて大きくするためにこの装置を装着して頂きます。本来はその顎に並びきる歯であるのですが、ガタガタになってしまい歯が並ばないということは、その歯に対する顎が小さいということです。
きれいに歯が並びきるように正常な顎にしていくことを目標にします。また大切なこととして、歯並びがきれいになり、なおかつ噛めるという機能が備わると口元も変り、きれいな顔立ちに変わります。

この床矯正治療は始めるのが早ければ早いほど、健康な永久歯を抜かずに歯並びをきれいにする可能性が高くなります。開始時期は、前歯の永久歯が生え出した時、少し重なりあってガタガタしていると気付いた時です。永久歯がまだ完全に生えそろっていない5～9歳の時期が適しています。犬歯（糸切り歯）が生えてくる前に始めると容易に終わらせることが可能になります。

この床矯正装置は歯を並ばせるために顎を拡げて大きくするこを目的としていますから、一本一本の歯を前後左右に動かすことは得意ではありません。したがって、この装置だけですべてうまくいかないこともあります。
この場合は顎を拡げたあと、ある一定期間、歯の表面に金属の金具を付けて歯を正確な位置に動かしていきます。

床矯正に関する「よくあるご質問」